专利摘要:
本発明は陽極鋳造方法および装置に関する。本方法では、鋳型(2)で鋳造される陽極(4)を冷却段階で冷却する際、陽極の上面に散水する。冷却段階は1つ以上の動力冷却段階を含み、動力冷却装置(9)によって高圧で、少なくとも1つの散水(10)を陽極上面に対して斜めに向けて陽極(2)の上面に散水し、この散水は、陽極の吊り金具(7)およびこの吊り金具を囲撓する鋳型の縁部領域(5)の近くを、これらに実質的に接触することなく、通過させる。散水の体積流量と圧力を選択して、散水が上記表面上に存在することがある水蒸気の層に浸透し、陽極表面と接触し、実質的に洗浄および冷却を行なうことなく、鋳型の縁部領域を越えて陽極表面から、鋳型の縁部領域の反対側より跳ね返るようにする。
公开号:JP2011513067A
申请号:JP2010548137
申请日:2009-02-26
公开日:2011-04-28
发明作者:ユハ ルンッピオ、
申请人:オウトテック オサケイティオ ユルキネンOutotec Oyj;
IPC主号:B22D25-04
专利说明:

[0001] 本発明は、請求項1の前段に記載の方法に関するものである。さらに本発明は、請求項10の前段に記載の陽極鋳造装置に関するものである。]
発明の背景

[0002] 本発明は、転換後に行なわれる銅などの金属の精製法における陽極板の製造に関するものである。フラッシュ溶解炉から製品を得るが、これは銅の他に鉄、硫黄、貴金属を含み、鉄および硫黄は酸素富化空気による転換で除去される。このようにして得られた転換銅は陽極炉へ運ばれ、そこでさらに精製されて硫黄が除去される。陽極炉内の転換に残ることがある硫黄は、空気を液状金属へ吹き込むことによって酸化されて二酸化硫黄になる。この後、溶融物から酸素を除去する。]
[0003] 陽極炉の溶融銅は陽極鋳造装置によって鋳造されて陽極板になるが、これらの銅含有量は約99.5%である。典型的には、陽極板の大きさは約1m x 1mであり、その厚さは約5cmである。陽極は典型的には吊り金具を備え、これによって陽極を電解の際に持ち上げて垂直の姿勢で吊るすことができる。通常、陽極の重量は約300〜400 kgである。完成した陽極板は次に、電解によって精製されて銅陰極になるが、その銅含有量は99.99%である。]
[0004] 最も使用されている現在公知の陽極鋳造装置の種類は、垂直軸を中心に回転し円形に配設された多数の開放鋳型を有する鋳造テーブルを含むものである。鋳造テーブルは周期的に回転し、動く度に特定の期間長の停止がこれに続く。]
[0005] この陽極鋳造装置では、銅は陽極炉から樋に沿って鋳造機へ、さらに銅で作られた開放鋳型へ送られる。溶融銅はこの鋳型を毎回、塗料もしくは離型剤で塗装することによって鋳型への張り付きを防止しているが、塗料もしくは離型剤には、例えば水を混入した硫酸バリウムを含有させることができる。鋳造は次のような段階で構成される。すなわち、鋳造、冷却、鋳型からの離型、吊り上げて冷却タンク内へ投入、および鋳型の塗装である。]
[0006] 鋳型内の陽極鋳造物は、その表面が十分に固まるまでは冷却することができない。鋳造直後の鋳型内の溶融陽極の温度は約1150 oC(その融点は1084 oC)であり、通常は、十分に固まって鋳型から取り出せる700〜950 oCの温度まで鋳型内で冷却する必要がある。]
[0007] 鋳造開始の際、陽極を鋳造する銅鋳型の温度は、鋳造の始めで約60 oCであり、一般に、鋳造テーブルの3サイクルのうちに温度は平衡状態に達し、その内部温度は約200 oCになり、テーブルの外側の中央部で測定した端面の表面温度は約150 oCである。ここで、鋳型は温度が高くなり過ぎてその稼動寿命が短くなることがない。この場合、陽極を取り外した後に鋳型の表面に吹き掛ける水溶性離型剤は十分に乾き、鋳型内で鋳造される陽極の縁にとげ状物が成長することもない。冷えすぎた鋳型の表面に離型剤を吹き掛けると、当該鋳型で鋳造を開始するまでに乾く時間がない。鋳型および陽極を完全冷却するには、鋳型がその最適な温度を保ち、電解するのに十分な品質を有する陽極を鋳造することが重要である。]
[0008] 陽極は冷却して十分に固まらせ、鋳型から持ち上げて出し、最終冷却を行なう冷却タンクへ入れる必要がある。他方、陽極を冷却しすぎると、鋳型内で陽極が収縮し、吊り金具間にひび割れが生じることもあり、陽極が使い物にならなくなる。上記の理由から、鋳型から持ち上げる場合、陽極の温度は700〜950 oCが好ましい。]
[0009] 公知の方法および装置は、鋳造テーブルを回転させて鋳型内で陽極を冷却するよう構成され、いわゆるフルコーンノズルが鋳型通路の上部で陽極の停止位置、および陽極より上のいくつかの場所に配設され、これらによって冷却水が円錐形散水として陽極表面に散水される。冷却位置の上部には水蒸気を回収するフードがある。陽極に直接集向させるこのような上流の冷却位置は、蒸気抽気フードの領域内の各停止位置に設けられ、陽極が十分に固化して陽極に向けた散水で陽極表面のたわみを生じない場所から始まる。]
[0010] 陽極に直接集中される散水は陽極から熱を除去する比較的効果的な方法である。散水によって、鋳造テーブルの冷却能力は鋳造能力が瞬間的に変化しても調節でき、陽極から所望の熱量を除去してから陽極を持ち上げて冷却タンクへ入れることができる。]
[0011] 公知の陽極装置における冷却水量は、鋳型位置ごとに1陽極について約20〜30 l/minであり、1鋳型当たり210 l/minである。鋳型温度は、オン/オフ原理で鋳型を開閉することによって調節する。こうして、鋳造環境に応じて適切な数が作動する。上流水の制御は、制御室のプログラムにより操作者が手動で行なう。]
[0012] 時々、鋳造テーブルで障害が発生し、これによって鋳型における鋳造ができなくなるが、鋳造を行なうことなく1鋳造サイクル以上にわたって回転させることはできる。これは、例えば、鋳型において陽極の吊り上げピンが上がったままで、これを下げる時間がない場合である。現在の冷却システムは、鋳造操作者が鋳型の状態を自動化システムにて変更し、乾燥状態を保つ必要のある鋳型が停止した鋳型位置で冷却を中断するよう構成されている。]
[0013] 陽極鋳造所の能力および有用性に関して、上述のように鋳型を乾燥状態に保つことはかなり重要である。空の鋳型に散水すると、鋳型は徐々に使えなくなり、鋳造が長引き、または中断される事態さえ発生することがある。びしょ濡れの鋳型は別個に、例えば鋳造作業の合間にプロパンガスバーナで乾燥する必要がある。]
[0014] 従来技術により陽極に直接散水する上流水の量は、最大であった。この配水方式は配管とノズルで構成され、容量が増すにつれて水量が増える。しかし、実際に実施する際は、別の理由でノズルの位置を少量の方に調節し、またはノズルを完全に取り外すことが必要であった。]
[0015] したがって問題は、過剰に大きなノズルを冷却に用いる場合、陽極内の凹部を沸騰する湯で満たすことである。その後に続く冷却位置で水を加えると、水泡の隔離層が散水の効果を損なうので、水は陽極表面まで十分に浸透しなくなる。この場合、水は水泡の層を保持することにしか関与しない。]
[0016] 他の問題は、実際上、陽極を冷却する上流水を現在の技術では増やすことができず、鋳造テーブルの容量が限定されることである。総じて、容量が大きいことは、より多数の鋳型を有しより大きな場所をとる大きな鋳造テーブルを作ることを意味する。上流水容量全体を鋳造に使用する場合、各上流水を自動化することは不可能である。自動化するとすれば、調節許容範囲を持たせるためには、より大きな冷却容量が必要となろう。現状では、すべての上流冷却位置が作動しているので、最大容量で陽極の温度を調節することは実際上、不可能である。]
[0017] 円錐形の上流散水で冷却する場合、換言すれば、陽極上部にある1つのノズルによって冷却する場合、水は各位置で均等に鋳型の縁部を越えて、鋳型の吊り金具領域を含む鋳型の縁部領域を不都合なほどに洗浄し冷却する。陽極の吊り金具領域では鋳型はあまり加熱されず、これによって吊り金具は過度に冷える。鋳型の冷えすぎた吊り金具領域は、最初の鋳造における冷えた鋳型の場合と同様に、陽極の吊り金具にとげ状物を生じさせる。問題は、とげ状物を後に別の機械加工段階で取り除く必要があることである。なぜなら、これらがそのまま残ると、陽極板を互いに非常に短い間隔で垂直姿勢に吊り下げる電解段階では短絡を生じることがあるからである。]
発明の目的

[0018] 本発明は、上述の欠点を解消することを目的とする。]
[0019] とりわけ本発明は、鋳型の数を増さずに陽極鋳造所の冷却力および能力を増大することができる陽極鋳造方法および装置を開示することを目的とする。]
[0020] さらに本発明は、鋳型を冷却することなく陽極を冷却できる陽極鋳造方法および装置を開示することを目的とする。]
[0021] また本発明は、陽極吊り金具を実質的に冷却しないことによって、とげ状物が形成されず、陽極のひび割れがない陽極鋳造方法および装置を開示することを目的とする。]
[0022] 本発明による方法は、請求項1に開示する事項を特徴とする。本発明による陽極鋳造装置は、さらに請求項10に開示する事項を特徴とする。]
[0023] 本発明による方法は、a)所定量の液状金属を開放鋳型へ投入し、b)鋳型で鋳造した陽極を陽極の上面に散水する冷却段階にて冷却し、c)固化した陽極を鋳型から取り外し、d)段階a)ないしc)を繰り返すことを含む。]
[0024] 本発明によれば、冷却段階b)は1つ以上の動力冷却段階を含み、少なくとも1つの散水を用いて高圧で陽極の上面に散水し、この散水は陽極の上面に対して斜めに向けられて、陽極の吊り金具および吊り金具を囲撓する鋳型の縁部領域に実質的に接触することなく散水がこれらの付近を通るようにする。散水の体積流量および圧力を選択して、表面にあることがある水蒸気の層に散水が浸透し、陽極表面に接触し、実質的に洗浄および冷却を行なうことなく、鋳型の縁部領域を越えて陽極表面から、鋳型縁部領域の反対側より跳ね返るようする。]
[0025] 本発明による陽極鋳造装置は、液状金属を供給する供給装置と、供給装置から液状金属を受け入れる多数の開放鋳型とを含んでいる。各鋳型は、水平な板状陽極を形成するための凹部を有している。凹部は、鋳型の実質的に水平な縁部領域で囲まれている。凹部の一つの端部は、陽極の吊り金具を形成するための耳領域を有している。さらに本装置は、鋳型で鋳造された陽極を散水によって冷却する急冷凝縮装置を含んでいる。]
[0026] 本発明によれば、急冷凝縮装置は少なくとも1つの動力冷却装置を有し、これは、少なくとも1つの散水によって高圧で陽極の上面に散水するよう配設され、この散水は陽極の上面に対して斜めに向けられて、鋳型の縁部領域および陽極の吊り金具に実質的に接触することなく、散水がこれらの付近を通るようにする。散水の体積流量および圧力を選択して、表面にあることがある水蒸気の層に散水が浸透し、陽極表面に接触し、実質的に洗浄および冷却を行なうことなく、鋳型の縁部領域を越え陽極の表面から、散水の方向に対して鋳型縁部領域の反対側より跳ね返るようにする。]
[0027] 本発明の利点は、陽極の吊り金具に対して冷却が行なわれず、これによって陽極の品質を改善し、かなりの水量を陽極に散水することが可能になることである。陽極の冷却に関連して、鋳型の縁部に対して過剰な冷却が行なわれることがなく、これによって陽極の品質を高く保つ。本発明は、現存の陽極鋳造装置の冷却能力をかなり増大する可能性を提供し、鋳型の数および鋳造テーブルの大きさを増大することなしに鋳造能力を増大させる機会を提供する。さらに本発明の利点は、大量の水を陽極の表面に対して当て、経済的に顕著な冷却結果(能力を増大するに適した結果)を生むことにある。上流冷却からの強力な斜めの散水は、水によって生成される陽極表面に水蒸気層に浸透し、これを消滅させる。]
[0028] 本方法の一適用例では、動力冷却段階の散水は陽極上面に対して5〜80oに向ける。]
[0029] 本方法の一適用例では、陽極から跳ね返る動力冷却段階の水を回収し、実質的に鋳型に接触することなく陽極を通過させて下方へ誘導する。]
[0030] 本方法の一適用例では、陽極に散水された動力冷却段階の散水を、いわゆる平たい散水の形にする。]
[0031] 本方法の一適用例では、動力冷却段階では水を100〜3000 l/min/m2のオーダの体積流で、2〜7バーの圧力で散水する。]
[0032] 本方法の一適用例では、動力冷却段階では水を陽極表面に対して5〜40秒間、散水する。]
[0033] 本方法の一適用例では、動力冷却段階における陽極表面に対する散水の散布パターンは、矩形状、線形状、楕円形状など、実質的に長尺状である。]
[0034] 本方法の一適用例では、動力冷却段階で何本かの散水として水を散布し、これらの陽極表面上における衝撃のパターンは実質的に隣接して、陽極上面の全領域に行き渡る。]
[0035] 本方法の一適用例では、動力冷却段階が終了した後、残留水が陽極および鋳型上に流れることを防止する。]
[0036] 本陽極鋳造装置の一適用例では、陽極鋳造装置は、少なくとも1つの散水ノズルを有し、これを陽極の上面に対して5〜80oの角度に向けて散水する。]
[0037] 本陽極鋳造装置の一適用例では、動力冷却装置はガイドを含み、これは、鋳型の端部の近辺およびこれより上において跳ね返る出力冷却水を回収し、実質的に鋳型に接触することなく鋳型を通過させ下方へ導くよう構成されている。]
[0038] 本陽極鋳造装置の一適用例では、ガイドは、主として下方に開口したシュートとして形成されている。]
[0039] 本陽極鋳造装置の一適用例では、スプレーノズルは、いわゆる平たい散水を作り出すよう構成されている。]
[0040] 本陽極鋳造装置の一適用例では、スプレーノズルは散水を生成するよう配設され、その散布パターンは、陽極表面上で線形状、矩形状、楕円形状などの実質的に長尺状である。]
[0041] 本陽極鋳造装置の一適用例では、動力冷却装置は、100〜3000 l/min/m2程のオーダの体積流量で、2〜7バールの圧力で陽極表面に散水するよう配設されている。]
[0042] 本陽極鋳造装置の一適用例では、動力冷却装置は動力冷却段階中、1回に5〜40秒間、散水するよう配設されている。]
[0043] 本陽極鋳造装置の一適用例では、動力冷却装置は、何本かの散水を陽極に向ける多数のスプレーノズルを有し、陽極表面における散水の散布パターンは実質的に隣接し、陽極上面の領域全体に行き渡る。]
[0044] 本陽極鋳造装置の一適用例では、動力冷却装置は、動力冷却水を複数の散水ノズルへ分配するバイパスマニホールドを含んでいる。バイパスマニホールドにおいて、各スプレーノズルは長手方向に互いから離隔して配設されている。]
[0045] 本陽極鋳造装置の一適用例では、バイパスマニホールドは、冷却すべき陽極の上部へ少なくとも部分的に延在している。各スプレーノズルは、曲状管によってバイパスマニホールドへ連結され、この管は、バイパスマニホールドの上部に開口して残留水が流れ込むのを防止する。]
[0046] 本陽極鋳造装置の一適用例では、バイパスマニホールドは鋳型に対して垂直にて配設され、鋳型から離隔した垂直面へスプレーノズルが延在し、これによって動力冷却散水後にスプレーノズルから流れ出ることのある残留水を、鋳型に接触させずこれを冷却することもなく、流すようにする。]
図面の簡単な説明

[0047] 次に、添付図面を参照して、適用例により本発明をさらに詳細に説明する。
本発明による陽極鋳造装置の適用例の模式的上面図である。
図1の断面II−IIを示す図である。
図1の陽極鋳造装置により製造された陽極の斜視図である。
図1の陽極鋳造装置の1つの鋳型を示す図である。
図1の陽極鋳造装置の1つの動力冷却装置の斜視図である。
図5の動力冷却装置の側面と、鋳型および陽極の横断面を示す図である。
動力冷却装置の他の適用例の側面図である。
図7の装置の上面図である。] 図1 図5 図7
発明の詳細な説明

[0048] 図1および図2は陽極鋳造装置を示し、これは多数の開放鋳型2を含み、これらの中へ銅などの液状金属が供給装置1の投入シュートから投入され、陽極4を形成する。鋳型2は、回転式鋳造テーブル15の上部で垂直軸の周囲に水平な円で配設されている。鋳造テーブル15は周期的に回転し、動く度に特定の期間長の停止がこれに続く。] 図1 図2
[0049] 図4は、各鋳型2が水平な板状陽極4を成型する凹部3を含んでいることを示す図である。凹部3は鋳型の実質的に水平な縁部領域5によって囲撓されている。凹部3の一方の端部は、陽極の釣り金具7を形成する耳領域6を有している。図3は図4の成型される陽極4を示すが、これは吊り金具7を有している。陽極の大きさは、典型的には、約 1m x 1mであり、厚さは約5cm、重量は約300〜400 kgである。] 図3 図4
[0050] 銅などの液状金属を鋳型2に投入する場合、金属の温度は約1150 oCである。陽極4が鋳型で鋳造した後、鋳造テーブル15がこれを冷却段階へ移動させるが、これは冷却装置8によって行なわれる。陽極は、いくつかの一連の停止位置で冷却装置8により陽極表面に散水することによって冷却される。冷却装置7はフード16を含み、これによって冷却中に発生する水蒸気が除去される。冷却装置7では、散水は上流のノズルによって行なわれ、各ノズルは直接陽極の上面に配置され、十分な円錐形の散水を形成する。この適用例では、冷却装置8は鋳造テーブルの回転方向に3つの動力冷却装置9を有し、これらが動力冷却段階を行なう。動力冷却装置9の後、陽極の一方の端部は、鋳型2の底部に設けられた押しピン17によって鋳型2から持ち上げられる(図2および図4参照)。エジェクタ18が陽極を把持し、これを最終冷却へ運ぶ。鋳型から取り外された時の陽極の温度は約700〜950 oCである。] 図2 図4
[0051] 冷却装置8は約3〜4台の動力冷却装置9を有することが好ましい。動力冷却段階は、陽極表面がたるむことなく冷却に耐えるに十分な程度まで冷却された時、直ちに開始することができる。動力冷却は、できる限り多数の動力冷却装置9に分散させることが好ましく、そうすれば、一箇所で行なう場合よりも冷却による制御が容易で正確である。1台の動力冷却装置9における散水時間は、例えば約10秒でよく、最初の動力冷却段階では時間をとって、陽極の表面温度を陽極がもはや黄色い輝きを発しない温度まで下げる。まさに冷却開始時に陽極の温度を効果的に下げるのが好ましい。なぜなら、例えば約800 oCの温度の陽極からよりも、例えば約1000 oCの温度の陽極から熱エネルギーを取り出す方がずっと困難であるからである。]
[0052] 陽極を鋳型から取り外した後、鋳型は塗装段階19へ進み、ここで離型剤、例えば水を混合した硫化バリウムを鋳型の凹部の表面に塗布し、鋳型が前に移動すると、少しの間乾燥される。この後、鋳型は他の陽極の鋳造に備える。]
[0053] 図5は動力冷却装置9を示すが、これは、陽極4の上面に高圧で最大20本の散水10をそれぞれ陽極4の上面に斜めに向けて散水するよう配設され、散水が鋳型の縁部領域5と陽極の釣り金具7の近くをこれらに接触することなく通過し、これによって散水が鋳型を実質的に冷却することがないようにしている。散水10の体積流量および圧力を選択して、前の散水段階から陽極表面に残った水によって生成された水蒸気の層に散水が浸透し、陽極4の表面に接触するようにする。陽極表面における散水10の散布パターンは実質的に隣接して、陽極4の上面の全領域に行き渡る。] 図5
[0054] 高圧で供給された水は、実質的に洗浄および冷却することなく、鋳型の縁部5を越えて陽極4の表面から、散水の方向に対して鋳型の縁部領域の反対側より跳ね返る。陽極は鋳型内に位置して、吊り金具7が鋳造テーブル15の外周の側にあって散水10が鋳造テーブルの中心に向くようする。]
[0055] ガイド12を鋳型4の付近でその上に配設し、上流の跳ね返る動力冷却水を回収して鋳型を通過させて下方へ案内し、この水が実質的に鋳型に接触して冷却しないようにする。ガイド12は、大部分が下方開口したシュートとして形成され、両端部を端壁で閉鎖されている。]
[0056] スプレーノズル11は陽極上表面に対して5〜80oの角度で水を散布するよう向けられている。スプレーノズル11は散水10を生成し、その散布パターンは、陽極表面では、線形状、矩形状など、実質的に長尺状であり、または平たい楕円形である。スプレーノズル11は、最も単純な場合、管の頭部を押しつぶして平たくしたものである。ノズルを成型することによっても、好ましい形の扇形もしくは平坦な散水を生ずることができる。]
[0057] 動力冷却装置9は、陽極4の表面に100〜3000 l/min/m2の体積流量と2〜7バールの圧力で散水する。この水量を陽極に散水するのに要する最大散水時間は、鋳造テーブルの停止サイクルの時間によって異なり、したがって、動力冷却装置9は、陽極に対して一回に5〜40秒間散水するよう配設することができる。]
[0058] 図5ないし図8を参照すると、動力冷却装置9はバイパスマニホールド13を含み、これは動力冷却水を複数のスプレーノズル11へ同じ圧力で分配する。バイパスマニホールド13は、互いに離間したスプレーノズル11を有している。] 図5 図8
[0059] 図5および図6では、バイパスマニホールド13は分岐して、それぞれの枝部は、冷却すべき陽極4の上部で平行に延在している。スプレーノズル11は、バイパスマニホールド13の上部に開口した曲状管14によってバイパスマニホールド13へ連結されている。したがって、散水後にノズルから陽極および鋳型に水が流れ放しになることはない。さらに、バイパスマニホールド13の連結部には、除去される残留水を通す迅速放流管を配設することができる。] 図5 図6
[0060] 図7および図8では、バイパスマニホールド13は鋳型2に対して垂直に配設され、鋳型2から距離Sにある垂直面までよりもスプレーノズル11が高く延在しないようにしている。ノズル11からの動力冷却散水を終了後、残留水は、鋳型に接触してこれを冷却することなく鋳型を通過して流れる。] 図7 図8
[0061] 本発明は、上述の適用例のみに限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の概念内で多くの改変が可能である。]
权利要求:

請求項1
a) 所定量の液状金属を開放鋳型に投入し、b) 該鋳型で鋳造した陽極を、水を該鋳型の上面に散水する冷却段階にて冷却し、c)固化した陽極を前記鋳型から除去し、d) 前記段階a)ないしc)を繰り返すことを含む陽極鋳造方法において、前記冷却段階b)は1つ以上の動力冷却段階を含み、前記陽極の上面に対して水を高圧で、少なくとも1つの散水として該陽極上面に斜めに向けて散水し、該散水は、前記陽極の吊り金具および該吊り金具を囲撓する前記鋳型の縁部領域の近くをこれらと実質的に接触することなく通過し、前記散水の体積流量および圧力を選択して、前記表面に形成されることがある水蒸気の層に前記散水が浸透し、前記陽極表面に接触し、洗浄および冷却することなく前記鋳型縁部領域を越えて該陽極表面から前記鋳型縁部領域の反対側より跳ね返るようにすることを特徴とする陽極鋳造方法。
請求項2
請求項1に記載の方法において、前記動力冷却段階の散水を前記陽極表面に対し5〜80oの角度で向けることを特徴とする方法。
請求項3
請求項1または2に記載の方法において、前記陽極から跳ね返る動力冷却段階の散水を回収して鋳型を通過させ、実質的に鋳型に接触させることなく下方へ送ることを特徴とする方法。
請求項4
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法において、前記陽極に散水する動力冷却段階の散水を平たい散水の形にすることを特徴とする方法。
請求項5
請求項1ないし4のいずれかに記載の方法において、前記動力冷却段階では、100〜3000 l/min/m2のオーダの体積流量および2〜7バールの圧力で散水することを特徴とする方法。
請求項6
請求項1ないし5のいずれかに記載の方法において、前記動力冷却段階では、前記陽極の表面に対して5〜40秒間、散水することを特徴とする方法。
請求項7
請求項1ないし6のいずれかに記載の方法において、前記動力冷却段階における前記陽極表面に対する散水の散布パターンは、矩形状、線形状もしくは楕円形状などの実質的に長尺状であることを特徴とする方法。
請求項8
請求項1ないし7のいずれかに記載の方法において、前記動力冷却段階では、水を複数の散水として散水し、該散水の散布パターンは、前記陽極表面にて実質的に隣接し、前記陽極上部表面の領域全体に行き渡ることを特徴とする方法。
請求項9
請求項1ないし8のいずれかに記載の方法において、前記動力冷却段階の終了後、残留水が前記陽極および鋳型から流出するのを防ぐことを特徴とする方法。
請求項10
-液状金属を供給する供給装置(1)と、- 該供給装置(1)から液状金属を受け入れる多数の開放鋳型(2)とを含み、各鋳型は、水平の板状陽極(4)を成型する凹部(3)を含み、該凹部は、前記鋳型の実質的に水平な縁部領域によって囲撓され、該凹部(3)の一つの端部には耳領域(6)が設けられて前記陽極の吊り金具(7)を形成し、さらに前記鋳型で鋳造される陽極を散水によって冷却する急冷凝縮装置(8)を含む陽極鋳造装置において、前記急冷凝縮装置(8)は、少なくとも1つの動力冷却装置(9)を含み、該冷却装置は、前記陽極(4)の上面に高圧で、少なくとも1つの散水(10)を該陽極(4)の上面に対して斜めに向けて散水し、該散水が前記鋳型の縁部領域(5)および該陽極の吊り金具(7)の近くを、これらと実質的に接触することなく通過するよう配設され、前記散水(10)の体積流量および圧力を選択して、前記陽極表面に生成されることがある水蒸気の層に前記散水が浸透し、該陽極表面に接触し、実質的に洗浄および冷却することなく前記鋳型の縁部領域(5)を越えて該陽極表面から、前記散水の方向に対して前記鋳型縁部領域の反対側より跳ね返るようすることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項11
請求項10に記載の陽極鋳造装置において、前記動力冷却装置(9)は、少なくとも1つのスプレーノズル(11)を含み、該ノズルは、前記陽極の上面に対して5〜80oの角度で散水するよう向けられていることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項12
請求項10または11に記載の陽極鋳造装置において、前記動力冷却装置(9)はガイド(12)を含み、該ガイドは、前記鋳型(4)の端部の近辺およびそれより上部において、上流へ跳ね返る動力冷却水を回収して前記鋳型を通過させ、実質的に該鋳型に接触することなく下方へ案内するよう構成されていることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項13
請求項12に記載の陽極鋳造装置において、前記ガイド(12)は、主として下方に開口したシュートとして形成されていることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項14
請求項10ないし14のいずれかに記載の陽極鋳造装置において、前記スプレーノズル(11)は散水(10)を生成するよう配設され、その散布パターンは、前記陽極表面において、線形状、矩形状など実質的に長尺状であり、または平坦な楕円形を有することを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項15
請求項14に記載の陽極鋳造装置において、前記スプレーノズル(11)は、扇状もしくは平坦な散水を生成するよう構成されていることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項16
請求項10ないし15のいずれかに記載の陽極鋳造装置において、前記動力冷却装置(9)は、100〜3000 l/min/m2の体積流量および2〜7バールの圧力で前記陽極表面に散水するよう配設されていることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項17
請求項10ないし16のいずれかに記載の陽極鋳造装置において、前記動力冷却装置(9)は1回に5〜40秒間、散水するよう配設されていることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項18
請求項10ないし17のいずれかに記載の陽極鋳造装置において、前記動力冷却装置(9)は、散水(10)を前記陽極(4)に向ける複数のスプレーノズル(11)を含み、前記陽極表面のける散水の散布パターンは実質的に隣接し、前記陽極上面の領域全体に行き渡ることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項19
請求項10ないし18のいずれかに記載の陽極鋳造装置において、前記動力冷却装置(9)は、動力冷却水を複数のスプレーノズル(11)へ分配するバイパスマニホールド(13)を含み、前記スプレーノズル(11)は、該バイパスマニホールド(13)の長手方向に互いから離隔して配設されていることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項20
請求項19に記載の陽極鋳造装置において、前記バイパスマニホールド(13)は、前記冷却される陽極(4)の上部へ少なくとも部分的に延在し、各スプレーノズル(11)は、前記バイパスマニホールドの上部にて開口した曲状管によって該バイパスマニホールド(13)へ連結されていることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項21
請求項20に記載の陽極鋳造装置において、前記バイパスマニホールド(13)は前記鋳型(2)に対して垂直に配設され、該鋳型(2)から距離(S)を隔てた垂直面よりも高く延在せず、これによって、動力冷却散水後、前記スプレーノズル(11)から流れることのある残留水は、前記鋳型に接触してこれを冷却することなく、該鋳型を通過して流れることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項22
請求項10ないし21のいずれかに記載の陽極鋳造装置において、前記鋳型(2)の耳領域(6)は円形通路の外周側にあり、前記散水(10)は該円形通路の中心に向けられることを特徴とする陽極鋳造装置。
請求項23
請求項22に記載の陽極鋳造装置において、該陽極鋳造装置は回転式鋳造テーブル(15)を含み、この上に複数の鋳型(2)が円形に配設され、該鋳型(2)の耳領域(6)は前記鋳造テーブルの外周の側にあり、前記散水(10)は該鋳造テーブルの中央に向けられることを特徴とする陽極鋳造装置。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
RU2189313C2|2002-09-20|Способ охлаждения литого изделия и устройство для охлаждения литого изделия
US5413314A|1995-05-09|Spray unit for cooling extruded sections
JP3819849B2|2006-09-13|環状金型
DE69531726T2|2004-07-01|Mit waermeaustauschkanaelen versehene metallische werkstuecke
KR20070078777A|2007-08-02|인베스트먼트 주조 몰드 설계 및 이를 이용한 인베스트먼트주조 방법
CN102430733B|2013-07-03|一种板坯连铸机二冷水幅切控制方法
US9297586B2|2016-03-29|Method of generating cracks in polycrystalline silicon rod and crack generating apparatus
JP2008504129A|2008-02-14|鋳造物からばりおよび閉塞片を除去するための方法および装置
KR101420146B1|2014-07-17|애노드 냉각 방법 및 장치
CN104353782A|2015-02-18|一种消失模铸造高锰钢筛板工艺
JP6585155B2|2019-10-02|冷却方法および冷却施設
CN104043787B|2016-01-20|电磁阀铸件的铸造工艺
CN101569921A|2009-11-04|一种用树脂砂制型芯的铸造工艺方法
HU218799B|2000-12-28|Eljárás könnyűfémöntvények hőkezelésére
JP2014057977A|2014-04-03|Al合金製鋳造品の冷却方法及び冷却装置
CN101880843B|2011-11-16|铝合金活塞喷雾淬火热处理工艺方法及其装置
CN101176913A|2008-05-14|大型水冷热能回收金属模系统
CN102363200A|2012-02-29|一种集装箱用手动锁锁壳的消失模铸造方法
CN103071765A|2013-05-01|一种熔模铸造壳内预制孔道的局部气冷方法
US3850224A|1974-11-26|Process and apparatus for drying shell molds
CN107931525B|2020-10-30|Method for controlling solidification of investment casting
CN108015231A|2018-05-11|一种熔模精密铸造工艺
CN101081432A|2007-12-05|汽轮机主汽调节阀体的铸造方法
CN103691890A|2014-04-02|缸盖制冒口油道砂芯的制芯方法及缸盖浇铸方法
FI20060249A|2006-09-18|Menetelmä ja laite anodin valamiseksi
同族专利:
公开号 | 公开日
FI20085191A0|2008-02-29|
WO2009106690A1|2009-09-03|
CN102036769B|2013-09-11|
FI120931B|2010-05-14|
CN102036769A|2011-04-27|
EA018136B1|2013-05-30|
PE20100042A1|2010-02-01|
FI120931B1||
FI20085191A|2009-08-30|
FI20085191D0||
JP5391210B2|2014-01-15|
EA201001182A1|2011-04-29|
CL2009000451A1|2010-01-15|
EA018136B9|2013-08-30|
AU2009218396A1|2009-09-03|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
JPH0732090A|1993-07-14|1995-02-03|Sumitomo Metal Mining Co Ltd|Anode cooling method|
WO2007128861A1|2006-05-04|2007-11-15|Outotec Oyj|Method and equipment for cooling anodes|JP2015139779A|2014-01-27|2015-08-03|住友金属鉱山株式会社|Method for producing anode for electrolysis|
JP2015160216A|2014-02-26|2015-09-07|住友金属鉱山株式会社|Method and apparatus for casting anode for copper electrolysis|
JP2015526292A|2012-07-04|2015-09-10|ティービーエス エンジニアリング リミティド|電池用キャスト・オン・ストラップ機械の鋳型におけるポストとストラップを成形するための型|JPS62104665A|1985-11-01|1987-05-15|Akita Seiren Kk|Casting and cooling method for metal|
JPH04253562A|1991-01-31|1992-09-09|Sumitomo Metal Mining Co Ltd|Copper anode temperature controller|
JP3124447B2|1994-05-09|2001-01-15|日鉱金属株式会社|鋳張り防止剤の塗布方法及び装置|
JP3932893B2|2001-12-28|2007-06-20|住友金属鉱山株式会社|銅電解用アノードの表面膨れ防止方法|
JP4822720B2|2005-03-17|2011-11-24|Jx日鉱日石金属株式会社|アノード鋳造方法及びアノード鋳造装置|LU91880A1|2011-09-28|2013-03-29|Wurth Paul Sa|Dust emission reduction during metal casting|
CN103658605B|2013-11-26|2016-10-05|无锡日联科技有限公司|封闭式玻璃x射线固定无氧铜阳极靶的铸造方法及装置|
FI126290B|2013-12-04|2016-09-15|OutotecOy|Method and cooling pool for cooling molded anode plates|
CN104959537B|2015-06-16|2017-08-01|云南锡业股份有限公司|一种控制浇铸阳极板铜模变形的方法|
法律状态:
2012-02-09| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120208 |
2012-02-09| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120208 |
2012-11-22| A977| Report on retrieval|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121122 |
2013-04-03| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130402 |
2013-06-29| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130628 |
2013-09-10| TRDD| Decision of grant or rejection written|
2013-09-18| A01| Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130917 |
2013-10-17| A61| First payment of annual fees (during grant procedure)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131011 |
2013-10-18| R150| Certificate of patent or registration of utility model|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
2016-10-18| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2017-10-17| R250| Receipt of annual fees|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
2018-10-18| LAPS| Cancellation because of no payment of annual fees|
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]